「性暴力被害者支援スキルアップ講座2021」の開催
12月11日仙(土)に、仙台市が主催する「性暴力被害者支援スキルアップ講座2021」において、当事務所の代表弁護士である光安理絵がエル・ソーラ仙台(仙台アエル)で講演させて頂きました。
講演は支援者や相談員の方々を対象に、「性暴力被害者の法的支援」というテーマで、性暴力の実態や刑事手続きの流れを中心にお話させて頂き、長く苦しみを抱える被害者に寄り添うために、どのようなサポートが求められるのか、二次被害を与えずに適切な対応を進める方策について、受講者の皆さまと一緒に考えてまいりました。
性暴力における二次被害というのは、被害者の方が、被害の実態を第三者に話すことで、記憶がフラッシュバックしてしまい、体調を崩してしまう、著しく情緒が不安定になってしまうなどの症状を招いてしまう事態を指します。
被害届を警察に提出し、警察官や検察官から事情を聞かれ、供述調書の作成や再現写真の撮影を行うことは、時に被害者にとって想像を絶する負担を強いる場合があります。
被害者への負担を少しでも減らすために仙台弁護士会や法テラスには主に以下のようなにサポート体制があります。
~仙台弁護士会 犯罪被害者無料電話相談~
初回30分無料
TEL:022-217-1516
~法テラス サポートダイヤル~
犯罪被害者支援弁護士紹介や被害者参加国選弁護士の紹介を行っております。
TEL:0570-079714
被害者に寄り添う
被害に遭われる人の中には、未成年者の方も多く、
・幼いために性犯罪の被害に遭ったことを認識できない。
・親を心配させまいという思いから、すぐに親に申告することができない。
・医療関係者からのわいせつな行為を被害と認識できず発覚が遅れる。
この他にも精神的な辛さから警察の事情聴取に耐えられないなど、様々なケースがあります。
こうしたひとりひとりの被害者の方に対して、弁護士はどんな形で寄り添えるのか、主に以下の点でお話させて頂きました。
→事件の記憶をフラッシュバックさせないために、弁護士が各所への事情説明を肩代わりをする。
→刑事裁判に参加することが難しい被害者に代わって、被害者参加代理人弁護士として公判期日に出席し、被告人(加害者)に対して質問をしたり、意見陳述を行う。
損害回復を図るために
性暴力に遭うことで、被害者本人だけでなく、被害者の家族の生活が一変し、大きな影響を受けることがあります。
被害者の方やその家族が、損害を少しでも回復させるために、加害者に対して賠償請求の交渉をすることは、それ自体が多大な負担になってしまいます。
そこで、被害者が加害者と直接やり取りをしないで済むように、被害者側の代理人弁護士と被告人(加害者)側の代理人弁護士(=刑事弁護人)が存在します。
代理人弁護士が交渉を行うことで、被害者の負担を減らし、早期解決を図ることができます。
何よりも大切なのは、「被害者に負担をかけないこと」です。
そのためのサポート体制を弁護士だけでなく、行政機関もより一層網羅させ、警察・検察との連携をとることが肝要です。
性暴力被害者支援に関する講座は定期的に開催されておりますので、ご参加をお考えの方は、ぜひ仙台市・公益財団法人せんだい男女共同参画財団のホームページをご参照下さい。